労働基準法の改正に伴い、完全週休二日制の実現のため、「一例一休」が導入されました。
改正法では「休息日」にも雇用主は労働者の同意があった場合にのみ労働を要求できます。
ただし賃金については休息日は「残業」扱いとなるため、法律に基づいた賃金の支払いが雇用主には要求されます。
休息日の賃金については労働基準法第24条に規定があります。
条文では、以下のとおり規定されています。
第二項
雇用主が第36条に定める休息日に労働者を労働させた場合、労働時間が2時間以内であれば、平日の1時間あたりの賃金の1と3分の1以上を加算する。また2時間の労働以降も続けて労働する場合、平日の1時間あたりの賃金の1と3分の2以上を加算する。
第三項
前項の休息日の労働時間及び賃金の計算について、4時間以内の場合、4時間とみなして計算する。(作者補足:例えば1時間の労働であっても4時間労働したこととする)
4時間を超え8時間以内の場合、8時間とみなして計算する。
8時間を超え12時間以内の場合、12時間とみなして計算する。
以下では、ある市内のラーメン店で働くKさんを例に休息日の賃金計算方法をご紹介します。
なおKさんは月給36000元で時給に換算すると150元です。
計算式:
36000(月給)÷30(1ヶ月)÷8(1日の正常労働時間)=150(1時間あたりの賃金)
例1
休息日にKさんは1時間労働しました。
この場合、労働時間は1時間であるものの、第三項の「(休息日の労働時間が)4時間以内の場合、4時間とみなして計算する」との規定に基づき、4時間労働として計算します。
まず、第二項において、「労働時間が2時間以内であれば、平日の1時間あたりの賃金の1と3分の1以上を加算する」とありますので、
計算式:
150(平日の1時間あたりの賃金)×1と1/3(第二項)×2(4時間とみなした労働時間の最初の2時間分)=400
つぎに、4時間とみなした労働時間の残りの2時間分について、第二項では、「また2時間の労働以降も続けて労働する場合、平日の1時間あたりの賃金の1と3分の2以上を加算する」とありますので、
計算式:
150(平日の1時間あたりの賃金)×1と2/3(第二項)×2(4時間とみなした労働時間の残りの2時間分)=500
したがって、Kさんは休息日に1時間の労働をしましたが、4時間分の賃金として、
400+500=900
となり、Kさんは900元を受け取ることになります。
例2
Kさんは休息日に8時間労働しました。
第三項の「4時間を超え8時間以内の場合、8時間とみなして計算する」との規定に基づき計算します。
計算式は下記のようになります。
計算式:
150(平日の1時間あたりの賃金)×1と1/3(第二項)×2(8時間のうちの最初の2時間分)+150(平日の1時間あたりの賃金)×1と2/3(第二項)×6(8時間のうちの残りの6時間分)=1900
このように休息日の賃金の計算方法は平日とは異なりますので、注意が必要です。