なぜ香港で起業したのか?【松本 博明氏@香港】

第2回 日本を飛び出しなぜ香港で起業したのか?

第2回目からの香港コラムは私自身の香港との出会い、香港での起業のきっかけ等、香港在住7年間のあゆみを基にこれから進出、就労等をお考えの方に香港ビジネスのメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。

まずわたしは現在香港で起業して約6年になります。
私のビジネスは香港、中国の広東省(香港のすぐ隣)の主にこの2つのエリアで人材紹介ビジネスをしています。

7年前に香港に渡ってきて、まずサラリーマンからスタートして、 その後独立し、現在では広東省のニッチなエリア(隙間市場)で製造業に特化した人材紹介ビジネス「華南Works」をスタートし、その後この香港にエリアを広げて「香港Works」をスタートしました。

【香港との出会い】

どんな経緯で何故この香港という地に落ち着いて起業するに至ったのか、 その経緯ですが、もともと私は人材紹介業、人材派遣会社「パソナ」に国内就職しました。
新卒から5年間パソナで働いていまして、5年間働く中で充実もしていましたし、 後輩も出来て楽しくやっていたのですが、 「どうしても海外に出てみたい」という気持ちが沸々と湧いてきました。
当時香港だけに絞ったわけじゃなくて、シンガポールだったり、欧米圏だったり、 いろんな人材会社の転職活動をしていました。

英語力もまったくゼロの状態で、でも海外で働きたいという無謀な夢というか、 そういうものが芽生えてきました。

どうしても海外に出たいという気持ちが捨てきれず、自分でもチャンスがあるような会社はないのかなと、 基本的に人材ビジネスの業界に絞って転職活動をしました。
その後、たまたま香港のある人材紹介会社から拾っていただくことになりまして、そこがきっかけになりました。
これは本当にご縁というか偶然だと思っています。
たまたまパソナの先輩が出ている雑誌を見て大手人材会社と書いてあるので、もしかしたらパソナ出身なのかなと思いながら、 それは分からずに履歴書を送ってみて、結果的にご縁があったということになります。

最初は独立・起業など全く考えてませんでしたので、あくまでもサラリーマンとして香港に来ました。
その頃は独立・起業なんて雲の上の人達がやることだなというイメージでした。

【香港在住7年間の歩み】

結局、就職がめでたくできたのですが、一報で給与もパソナ時代の 新卒の時並みに下がってしまいました。
また妻も一緒に日本から連れてきたのですが、 当時、奥さんも家族ビザで働けるという前提でしたので、 それもあって共働きで出来るだろうと思って連れて来たんですけども2003年、 当時流行したSARSがちょうど僕が来た直後に流行り始めまして、 それから香港の失業率が8%まで上がってしまったので、妻が働けなくなってしまいました。

香港政府が地元の人を働かせる枠を作るために、外から来た人達に対する就労制限をかけたということになります。
一人で家族の分を賄わなきゃいけないけど新卒並みの給料ということで非常に切羽詰ったことを覚えています。
ある意味、崖っぷちというか「もう頑張るしかない」と思いをあらたにしました。
僕はもともと営業畑でやってましたので、香港・広東省にある日系企業を毎日汗かきながら必死で営業して、 飛び込み(営業)もやりました。
幸いなことにパソナの時代に鍛えられましたので、なんとかできたのですが。。。

【そして転機が訪れる】

当時の会社は社長と私、二人だけの会社でしたので、社長は香港エリアをやるので「お前は広東省エリアをやれ」ということで、 メインを広東省エリア担当ということになって2年くらい経って、1年経ったときに給与もコミッション(歩合)制 にしてもらったり、稼げば稼ぐだけ認めてもらえるようになってきて、 広東省のエリアの売上もだんだん伸びていきました。

コミッション制ということで波はありましたけど、いいときは90万円の時もありました。
やればやっただけ稼げるというチャンスもいただけましたので、その辺も原動力になったのかなと思います。
その中で基本的に少人数の会社でしたので、1から10まで自分で自己完結でやっていましたので、 妻といろいろ相談しながら、将来、もしかしたら独立、起業したいなという気持ちがそこから芽生えてきました。

任されて1から10まで全部やる中で、「あ、こういうものなのか」というのが見えてきたということだと思います。
その後、社長にダメもとで「もし社長がOKなら、広東省を自分の事業部的なものでやらせてほしい」 という相談をしたのが1つの起業のきっかけになりました。
そのとき、私は社長は「ダメ」と一つ返事だと思ったんですが、「よし、やれ」と言ってくれました。
僕はそのとき涙が出そうなぐらい社長に感謝の気持ちで一杯でした。
ただ、お互いにWIN-WINでやっていこうというそういう中の話でしたので、OKを出してくれたんだと思います。

次回は起業の際の会社設立から開業までの流れを生の体験談からお伝えしていこうと思います。
(次回につづく)

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