第4回目の香港コラムはこのたび発生いたしました東北地方太平洋沖地震における香港社会の動向につきまして現地の生情報をお伝えしたいと思います。
まずはこのたび震災にて亡くなられた方、被災者の皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
また1日も早く復興実現に向けて我々も微力ながら全力で取り組んで参りたいと思います。
【発生直後の自分:2011年3月12日 自身のブログより抜粋】
本日は香港日本人墓地慰霊祭に参列してまいりました。
この度の地震でひとりでも多くの方が無事でありますよう英霊にお祈りしてまいりました。
そのあと、ずっと
「自分に今何ができるのか?」
悶々と問い続けていました。
そして、香港の兄貴分にアドバイスもらいました。
堪えていたものが込み上げ、自分の国が、愛する日本が、悔しくて、悔しくて、涙が溢れてきました。
もう止まりませんでした。
兄貴は言いました。
「今は自衛隊や海上保安庁やプロに任せよう。」
兄貴は自衛隊出身です。
兄貴も昨日のニュースを香港で見た瞬間、唇を噛みしめ、堪えたそうです。
自分にできること。
今、自分がすぐに日本に帰ってもできることは限られている。
香港に家族もいる、社員もいる。
今は義援金を出したり、できる状況になって、精一杯のことをしようと思う。
自分は今回の震災を目の当たりにし、まだまだ本当に力不足で未熟だと思った。
今日は朝、自分の家の神棚に、日本人墓地慰霊祭の時、英霊の先輩に、

「一人でも多くの人々が無事でありますように・・・」
祈った。明日からまた精一杯頑張ります。
【苦境の日本料理店、売り上げ5割減も】
ど有機野菜を売りした知人が経営するベジタリアンレストラン。開店から大人気で予約がいつ
もいっぱいのお店で有名だ。
しかしながら、震災直後から客足が遠のいている状態が続いているそうだ。
行く先々の日本料理店でも「当店の野菜は九州産を使用しており放射能汚染等全く心配ありません」ときっぱり貼り紙をしているが効果はいまひとつ。
それでも来店した香港人も食材についてどこの産地からのものか必ず聞いてくるそうだ。
日本では福島県産、茨城県産のものが警戒されているが、海外ではすべての日本産の食材が警戒されているのだ。

バスに乗ってもテレビ番組のテロップは福島原発の最新情報など日本の震災情報がリアルタイムで流れている。
まあ愛すべき香港人は中国産の野菜から残留農薬で死者が出た時も大騒ぎだったが、
すぐに忘れて平気で食べていたという逸話を思い出し、少し楽観的に見ていたりする。
【ビジネスの動向】
つぎにビジネスの動向について自身の転職支援サービスの動きを中心に少し報告させていただく。
現在のところ求職者については日本国内から求職相談は日に日に増えている。
なかには今回の震災で職探しが難航しており、助けてほしいとのメールも来ている。
企業からの求人募集についての動きはこの時期なのに活発だ。
特に日本国内から進出してきた企業からの求人募集が増えている。
業種的には多彩で日本の天然酵母のパンを売りにしたベーカリーカフェや日本国内で200店舗を有する買取貴金属専門店や最近鳴り物入りでオープンした焼き肉の牛角などサービス小売系の増加が顕著である。

牛角については週末などは92組待ちで入店するのに2時間待ちの大盛況ぶりである。
やはり日本国内のデフレの影響もあり、それを受けた敏感な反応が進出の動きを後押ししているのだろう。
【日本を支援する動き】
私の知り合いの日本人コミュニティや香港人グループが主体となり支援物資の募集があり、多くの香港人が動いてくださり約50カートンの物資が集まった。

香港でも有名な日本料理屋の社長さんやFacebookなども活用し、多くのボランティアも集まり、集荷の手伝いをしてくれました。
香港人の人情やパワーを垣間見た一日でありました。
そして、3月30日に第一便の物資が無事に通関終了したとの連絡があった。
そして、東京にある信用のおけるボランティア団体の手に渡り、岩手県盛岡まで行く段取りがついたそうだ。
弊社の香港人スタッフも自分の1か月分給与を返上して義援金に回したいと申し出てきてくれて感謝したが、彼らの気持ちを汲み会社からその相当分の金額を義援金に充てることにした。
香港社会の皆さまの日本に対する暖かさをまざまざと感じています。
まだまだ被災者支援の続く日本ですが、ここ海外にいる我々日本人も今こそパワーを結集し、復興支援に向けて全力で頑張っていこうと決意を新たにしています。