常夏のシンガポールにいると、心なしかいつも明るい気分でいられる気がします。
しかし旅行ならいざ知らず、生活し仕事までするとなると実際は楽しいことばかりではありません。
今回はシンガポールで働く日本人および日本企業のあり方について考えたいと思います。
シンガポールは激しい自由競争社会であるため、向上心を強く持って他人より上を目指すことが求められます。
極めて狩猟民族型の世界です。
対して日本人は農耕民族的な思考が強いため、しばしばその価値観の相違に悩まされます。
例えば農耕をベースに考えると、皆で育てた作物は収穫したらそれぞれに平等に分け与えられるのが基本です。
多く収穫出来れば一人ひとりの取り分は増え、少ない時は皆で我慢することになります。
しかし狩猟をベースに考えると、リスクを取って狩りに行く人間と行かない人間では、役割に差が出てきます。
誰かが強い気持ちでリスクと向き合わないと、食料を確保することが出来ないのです。
これは会社のあり方、個人の仕事の進め方についても同じことが言えます。
少なくともシンガポールでは、リスクを取って成功した人間と何も努力しなかった人間では、収入に大きな差が出ます。
日本人であってもそれは変わりませんから、折角移り住んで来たとしても、普通に仕事をしているだけでは将来の見通しは全く立ちません。
その結果、シンガポールを去る人もたくさん出てきます。
社員の解雇が容易で、日系企業であっても解雇を行う会社は多数あります。
つまり人材の「使い捨て」が可能なのです。
シンガポール政府の考え方自体が、「外国人労働者は雇用の調整弁」というものですから、自然と企業もそれにならっています。
この根本的な価値観の違いに、移り住んで来た日本人は適応しなくてはなりません。
欧米人、中国人、インド人、その他アジア人…あらゆる人種が入り乱れるシンガポール。
かつて日本はアジアの先進国としてシンガポールでも一大勢力を誇っていましたが、経済の後退と共に元気が無くなってしまいました。
たくさんの日本人および日本企業がシンガポールで再度の参戦を始めている今、5年後、10年後、20年後にもシンガポールで成功を続けられるかは、いかに厳しくビジネスをできるかにかかっていると言えるでしょう。
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