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グローバル人材の幻想 【野瀬正一氏@シンガポール】

(2013年1月に書かれた記事を再アップロードしました。)

年末の日経ビジネスで表題、「グローバル人材の幻想」という特集があったので読んでみました。優秀な人材の確保、教育をどのようにおこなうかということについて、日本企業の抱えている問題点が並べられていました。

言葉の問題、外国人を扱う上での企業文化の問題、これらの問題は何年も前から言われていることで、日本企業の国際化にとって実際に障害となっているとは思いますが、この2013年の時点では既に0.5歩くらい遅れた問題だと、私は思うのです。シンガポールでも優秀なシンガポール人をマネージャーにすえている日系企業は多く存在していますが、それはそれで問題がなくなる訳ではなく別の問題も出てきています。優秀な日本人が業務をおこなったほうが良いケースもあります。つまり会社としての仕組みづくりが本来のテーマであって、どういう人種が何の仕事をおこなえばよいか、ということは本題ではなく、そのポジションに合った人材であればなに人でも本来構わないのです。

シンガポールでも例えば両替商などはインド系が多いですし、接客はフィリピン人が優れているなどの人種ごとの特長というのは確かに存在します。それをもとに適材適所を考えるのは当然有効な方法です。企業は利益を追求する集団でありますから、結果を最大に出せる人を配置すれば良く、真のグローバル化とはどんな国籍の人であってもその企業で居場所を確保し、力を発揮することができる環境を会社が整えられるということでしょう。社内公用語を英語にするとか、海外支社を現地化するとか、すべての取り組みは手段であり目的とはなりえません。 根本的な問題は、日本企業は起業家マインドを社員に求めてこなかった、いやむしろ起業家マインドのある社員を排除してきたということに一因があると私は考えています。同じ日本人であっても、駐在員でない社員は現地採用と呼ばれ、海外支社では出世させる道は閉ざされているケースがほとんどです。駐在員は手厚い待遇を施され、その分現地で雇った人間は当地に合った待遇で済まさないといけないという仕組みを取っている会社が多いですから、どんなに結果を出してもリターンがない=起業家マインドを持った人材は必要ない、ということになります。日本人であっても出世する道が開かれていないのですから、これは言葉や人種の問題というより会社の仕組みの問題です。

先日、日本のある大手チェーン店の幹部が私のもとに相談にみえました。シンガポール進出にあたり上層部や銀行などの提案してくる内容に疑問を覚え、現地を知っている人にアドバイスを聞きたいという依頼でした。その幹部は会社と戦ってでも、事業として現地に根付く店を出店・展開したいと燃えていましたが、今は大企業でも従来のやり方に危機感が強まってきているのではないでしょうか。

現地での利益を最大化するための方法は、業種にも企業規模によっても変わりますし、千差万別です。正解は結果でしか判断できません。トップが現地の言葉がわからなくても大きな結果を出している会社も数多くあります。とにかく結果を出したものが勝つのです。

私達の様な零細企業経営者はいかに売上・利益を確保するかを日々求めざるを得ませんから、国籍にかかわらず経営がうまくいくための話ならば積極的に耳を傾けます。日本企業はまずは原点に戻って企業の利益最大化を目指すことに専念すべきではないでしょうか。そうなればどんな国籍の人であれ力を発揮できる環境づくりをせざるを得ませんし、真のグローバル化につながると思います。

 

 

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