多くの人がつまずくポイント。外国で仕事をするのに不可欠な「問題解決能力」【野瀬正一氏@シンガポール】

事業を行うにあたって不測の事態は付きものですが、その問題とどう向き合うかというのは社会経験によって培われる部分が多いと感じます。
私はサラリーマン生活を経て起業しました。若くして成功している起業家を見ると、自分は回り道したかな?
と感じることもしばしばですが、予期しない事態に直面した時に問題を1つずつ解決する能力というのは、実際の経験からしか身に付けられないものです。

予期しない問題にぶつかった時、人が挫折してしまう大きな要因は、「今の状態がこのままずっと続く」「自分は被害者であり外的要因は動かすことができない」と考えてしまう点にあります。
一昨年、ワーキングホリデーを利用してシンガポールで働きたい、という日本の若者から連絡がありました。彼は大学で国際関係を学んでおり、ちょうど卒業するタイミングで空いた時間に海外で働きたいという話でした。私は彼と日本で面談しました。
今時の若者には珍しく、良い大学に通いながらも金を稼ぐために土方のバイトをするなど、気合の入った好青年。
彼はどんな仕事でも現地の人に混じって働く経験を得たい、ということでしたので、親しい経営者に頼んでシンガポールの飲食店で働いてもらうことにしました。

仕事を紹介するにあたり私は、ワーキングホリデーとはいえ先方は教育しながらもお金をくれるということ、これから後に続くワーキングホリデー希望者の為にも精一杯働いてほしいこと、遊びではなく私の紹介者としての信用もかかっていること、またうまくいけば後輩をもっと連れてきて欲しいことなどを言い含め、仕事に送り出しました。
シンガポールのワーキングホリデープログラムはオーストラリア等と違い、期間が半年しかありません。雇う側にとって半年では大きな戦力となりませんので、あまりメリットはないのですが、日本の若者を教育してあげようとか、半年でも戦力になる仕事を見つけてなんとかやってもらおう、という気持ちで受け入れるケースが大半です。

送り出した後、彼はどうなったでしょうか。結論から言うと2週間ほどで出社拒否となり、3週間で精神を病んで日本に帰ってしまいました。
シンガポール人のみならずインドネシア、マレーシア、中国人などが働く職場で価値観の相違にショックを受け、コミュニケーションがうまく取れず、仕事に行くのが嫌になって出社しなくなってしまったようです。

もともと半年しかない就業期間であるにも関わらず、数週間しか精神が持たない。
この事実を目の当たりにしました。自分が望んで入った環境でも短期間で挫折してしまう、この原因は先ほど書いた、「今の状態がこのままずっと続く」…この状況に半年も耐えられない。
「自分は被害者であり外的要因は動かすことができない」…相手と分かり合う前に心を閉じてしまう、ということに原因があるのではないかと思っています。
これを若者が軟弱だ云々という問題に結び付けるつもりはありません。
壁に当たった時に自分でそれを乗り越えるという努力と経験。
仕事をする上でこの問題解決能力があるかないかは、大きな違いを生むポイントとなろうかと思います。

シンガポールは先進国なので誤解されやすいですが、日本と比べると人々はルーズで約束が守られないことも多々あります。
この国にはありとあらゆる人種がいます。
公共トイレの水を流し忘れても罰金を取られる国です、暗黙の了解などありません。
言葉を信用できないので契約書をきちんと交わさないと取引できません。
そんな状況で事業を進める時、問題解決能力はとても重要です。
壁に当たれば当たるほど、その能力は試されます。日本では当たり前というラインが外国では通用しませんから、日々予想できない問題に当たることになります。
私にとっては、責任のなかったサラリーマン時代の多くの経験が、今の糧となっていることは間違いありません。

 

 

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