大量失業時代に突入した世界【野瀬正一氏@シンガポール】

今、世界的に仕事がどんどん減っています。もう少し突っ込んだ言い方をすると、誰にでもできるいわゆる「マックジョブ」が量産され、マックジョブに従事している人は、ひとたび仕事にあぶれると復帰が困難になっています。またマックジョブは長くやっていても所得は増えません。あらゆる産業で仕事のオートメーション化が進んで、人に頼る必要がなくなっていっているのです。

日本でも、シャープやNECが1万人リストラだとか、かつては超優良だった企業が変わっています。シャープは日本に大きな工場を構えて日本人を大量雇用し、日本製を武器に売っていましたが、今やその工場の売却・リストラを進めています。自己否定です。1万人減らしても業務に支障が出るより利益の方が多いと踏んでいる訳ですから、会社にとっての社員の価値も推して知るべし、です。もし私がシャープの社員だったら、会社を信じ会社の理念に共感して働いていたものが、大きく裏切られたと感じるでしょう。精神の弱い人はうつになるかもしれません。

しかし今やそんなことは世界中の日常茶飯事。経営が傾けば、理念などどこかに置き忘れたかのように、内部で首切り・争いが起こるのは会社というものの仕組み上、必然のことなのです。

日本がデフレ・少子化などで構造的に厳しい生き残り合戦になることも、また必然です。内需が大きいですから他国に比べまだゆるやかと言えますが、サバイバルな環境になっていくことは間違いないでしょう。

これらのことは全体の社会現象としては明確ですが、自分達ひとりひとりに置き換えると誰しも直視したくない現実です。クビになったり自分の存在価値を否定されて冷静な人はいません。また今は大丈夫と思っている人でも、時代と共に自分のスキルが使えなくなればいつマックジョブに戻るかわかりません。方向性はわかっていても、いざ自分事として対処することは難しいものです。

私はまだ「日本ブランド」が世界に通用しているうちに、という思いで日本を出ました。先輩方が残してくれた「日本国への信頼」、これは全日本人が使えるアドバンテージです。シンガポールでも成功している日本人の多くは「日本ブランド」を効果的に利用しています。外国にいる多くの日本人は「日本ブランド」の威力を痛感していますが、もし自分が例えばバングラディシュ人だったら、できることは180度変わります。それくらい国籍には大きな価値があります。そのうちこのブランドも使えなくなる日が来るかもしれませんが。
このように、日々を何となく過ごしているだけでは見えなくとも、実は使えるブランドやチャンスはいたるところにあります。

日本は今、リスクを冒さず守っている方が良いという風潮があるようですが、ハングリー精神を持って攻めないと、生活もままならなくなる日がいずれ来るでしょう。まだそのことを実感として気付いている人は限られているかもしれません。ということは、人より少し動くだけで新たな世界が広がっていく可能性が高いですから、まだチャンスのある時期だと言えます。これからの数年で、自分に何ができるかが問われていると思います。

 

 

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