中国テレビ業界の「シットコム」の特性とは

中国テレビ業界の「シットコム」の特性とは・・・【MATSU氏@中国・台湾】

中国のテレビ番組コンテンツ

米国や日本の番組コンテンツは、局側が積極的にウェブ公開しているとは言えない。米国のコンテンツはテレビ放送終了後も、DVDやhulu、amazon-primeなどで番組販売の見込みが立つため、インターネットで無料公開されない。公開されても期間限定がほとんどである。

日本のコンテンツは、業界全体として、再販されていなくても、局側が率先してインターネットで公開するような気運を持たない。中国では、スポンサーロゴを常に画面に表示させたり、司会者が番組内でスポンサー名を頻繁に口にしたり、ドラマに特定の製品を入れるプロダクト・プレイスメントも多く行われているため、インターネットで積極的に拡散されることでスポンサーが視聴率以外の便益を得られる。中国の番組は番販をイメージしたものは少ないため、愛奇芸やyoutubeを使って、番組を積極的に国内外に発信している。

シットコム(Sitcom)とは

シットコム(Sitcom)とはシチュエーション・コメディ(Situation Comedy)の略で、テレビのコメディ番組の種類の1つである。リビングや教室といった固定された空間の中で、登場人物同士が、主に「話をする」ことで、その内容で「笑い」が生まれ、視聴者を楽しませようとするものである。「日常的に行われる会話」において複数の登場人物の台詞を組み合わせていくことにより「笑い」を生み出して行く技法が用いられている。

テレビでのシットコムは、もともとラジオ番組で成されていたシットコム形式のものが、米国でのラジオからテレビへの主流メディア移行期に、コンテンツを早急に埋めるための方策として用いられた。その中で、1950年代に放送された「I love Lucy」(CBS)のように圧倒的な人気を得た番組もある。そして、中国のシットコム(Situation Comedy)は米国の形式に学んで制作されたとされる。

中国の代表シットコム

中国シットコムの代表作として、「我愛我家」「家有儿女」「愛情公寓」が挙げられよう。「我愛我家」は、中国のシットコムでは草分け的な存在となった作品である。1994年と2014年に深圳电视台、江西电视台、北京电视台などで、放送された。話数は206で、北京の大家族の日常をコミカルに描いた。「家有儿女」は2009年から2019年に、主に北京电视台で放送され、話数は367。連れ子を持つ親同士が再婚して共に暮らすことになった家族のドタバタ劇が描写された。「愛情公寓」は、2009年以降、現在も続いており、北京のマンションをシェアして暮らすことになった男女の物語である。

中国のシットコム番組の特徴

中国作品は「誇張」が多用される傾向にある。声調(四声)を使うことにより表現を行う中国語の発話システムも、シットコムに影響を与える。中国語では発話の際、音の強弱・高低が使用され、また、大げさに比喩をする、ありえない想定を会話に入れ込むなどの性質がある。

笑いの挿入ペースは、米国作品の方が中国作品よりも高い。視聴者が話を「聞いた」場合に、表音文字である英語の方が音声伝達性の面で高く、「何を言っているのか」を理解しやすい。一方、表意文字である中国語は同音異義語が多いため、聞いただけで何を言っているか瞬間的に判断しにくい。

中国では、基本的に収録番組は、画面下部に字幕が補足される。発音は地方によって偏りがあるが、表記が統一された形の「漢字」の付記によって、各地方の発音の偏りによる理解のしにくさを補正するためである。

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