北朝鮮の「リアル」2【MATSU氏@中国・台湾】

北朝鮮の選手1

北朝鮮の「リアル」は、北京首都空港でも遭遇することがある。
中国国内で開催された国際大会に出場した後の、『北朝鮮のスポーツ選手団』が空港内を搭乗客として普通に歩いているのだ。
空港の大きな行先掲示板「フライトスケジュール」には、行き先「平壌」の文字は見当たらない(何故掲示しないのかは明らかにされていないが、政治的な意図があるとされている)。 しかし、「空港ラウンジ」内の行先には、ひっそりと「JS(高麗航空)平壌」の文字が表示されている。
赤い上下のジャージに身を包んだ選手団。一旦、搭乗待合場に荷物を置いたと思ったら、ゾロゾロと歩いてきて、
空港内の熱湯を注げる場所(タンク)にやってきた。
北京市内で購入したと思われる「辛拉麺(韓国製のインスタントラーメン)」のカップにお湯を注いで持っていくではないか….
母国に着く前に腹ごしらえをしておく必要があるのだろうか。
この光景、日本人ならば「切なさ」を感じずには入れない。
「数時間後には北朝鮮に戻り、抑圧された生活が待っているのだろう…」と。

北朝鮮の選手2

〜北朝鮮人に同情する韓国人も〜

韓国人の中にも、北朝鮮人を『かわいそう』と同情するケースは少なくない。
ただし、それはもちろん全部ではなく、韓国人情報筋によると「北朝鮮人に同情するのは『若い人』が多い。
北朝鮮との戦争を経験していない若者が情を差し伸べる。
上は、朝鮮戦争で『北朝鮮兵』から攻撃を受けた世代だ。中には『肉親を殺された』という人もいる。
そういう人達にとっては、北朝鮮の若者も『仇(かたき)の子供』となり、北朝鮮人を見るだけで怒りが沸き起こる。
世代によって意識が違う」と指摘する。
朝鮮戦争は1950年-1953年。朝鮮半島の主権を巡り、北朝鮮が国境を越え侵攻したことで勃発した戦争だが、
北朝鮮や中国の人民軍によって、韓国市民が殺されるケースも多発した。
ある世代から上は、身近な形で、戦争と北朝鮮による「侵攻」を経験している。
「北朝鮮人は恐ろしい」という感覚を持っている人もおり、それは、今になっても消え去ることはない。

北朝鮮の選手3

〜大韓航空機爆破事件での反応〜

1987年に起きた大韓航空機爆破事件。犯人は北朝鮮の女性・金賢姫工作員だったが、
若さと美しさもあり、韓国内では、金賢姫容疑者への同情論(特に若い男性から)も生まれた。
しかし、北朝鮮に対する嫌悪感、恐怖心を持つ上の世代からは、「なぜ北朝鮮人に、ましてや重大犯罪の犯人に同情するんだ!」と反発も生まれた。
北朝鮮国民の生活に何か発生する(脱北者の存在も同様)と、その度に、韓国内世論は二分すると言う。
空港で「食いだめ」をして帰国する北朝鮮の選手団….。
その光景をどう受け取るのかは、各人が持つ「歴史的背景」によって大きく異なる。

著者紹介

Matsu:テレビ司会者・番組プロデューサー
台湾のテレビ局で放送の食をテーマにした旅行

Matsu

番組「大口吃遍台灣(大口吃遍世界)」のMCを務める日本人テレビ司会者、番組プロデューサー。
本島の東西南北、金門、馬祖、蘭嶼、緑島、小琉球等を食べ歩き、「食の風景」を伝えている。
ロケでは、台湾のみならず、中国、アメリカ、カナダ、日本なども訪問。

番組は、国際チャンネルを通じて、香港、シンガポール、マレーシア、マカオ、ベトナムなどアジア6か国、地域でも放送。
現在は、テレビ番組製作の傍ら、司会、執筆、講演なども行う。
近著:「大口吃遍台灣〜タイワングルメの旅」(四塊玉)。
番組出演:「WTO姐妹會」(八大第一台)/「聚焦360度」(年代新聞台)/ 「台湾ミュージアム」(台湾国際放送ラジオ)/「大台北城」(緑色和平電台)/「キッチンスター」(浙江テレビ)/「今天吃什么?」(大連テレビ)など。
座右の銘:做最壞的打算,盡最大的努力(最悪の想定をして、最大の努力をする)

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