外国で働くということ【野瀬正一氏@シンガポール】

今まで、シンガポールで働きたいという日本人に縁があって仕事を紹介してきましたが、多くの人が

1.シンガポールでぜひ働きたいと応募して来る。

2.モチベーション高く仕事を始める。

3.最初と話が違う、人間関係がうまくいかないなどcomplain-不平・不満を言うようになる。

4.退職を申し出る。

というパターンに入ります。

なぜなのでしょう? これは仕事の世話をした私にとっても胸の痛むことです。
ひとたび日本を出て働くと、安定やセーフティーネットはありません。
労働基準監督署も、雇用保険も、健康保険すらない状態です。
誰も自分を守ってくれない環境です。
他の皆は必死に生きていますので他人を構う余裕はありません。
我々経営者はもちろんリスクがありますが、雇われの身であっても、保証は無いに等しいのです。
日本人の多くはそのギャップになかなか対応できません。
それは日本国内の雇用システムが守られ過ぎているからでしょう。
「採用の時と話が違う」とか「シンガポール人とはうまくやれない」等の理由で、仕事を辞めて去る人も後を絶ちません。
しかしそもそも入社する時の状況がずっと続く、なんてことはあり得るのでしょうか?
企業にもあらゆる変動リスクがありますので
仕事内容も、上司も、給与も、入社後にドラスティックに変わります。
そういった企業を日本では「ブラック企業」と呼ぶそうですが、
こちらの企業はどれもブラック企業の範疇に入るでしょう。
異国の環境に飛び込む行動力を持った人は、他の多くの日本人よりももともと海外思考を持った人ですが、しかしそれでも適応できずに去ってしまう人はたくさんいるというのが現状です。

日本でブラック企業に関する報道やネットの書き込みを見るたびに、「日本では社会全体が日本人を弱体化させているのではないか」と心配になります。
フィリピンやマレーシア等から出稼ぎに来ている人々のハングリー精神は、日本人とは比べ物にならないほど強いです。
このままでは社会におんぶに抱っこの、dependentな人材で日本はあふれてしまうのではないでしょうか…。
日本社会は「いかにブラック企業に勤めないようにするか」、より「いかに自分の力で稼ぐか」を教えるのが先ではないかと思います。
他人から何かを与えてもらう、という発想は捨てる必要があります。
外国で働くということ、それは「自分の力だけでどこまで進めるかを試される、人生ゲームの第一ステージ」みたいなものかもしれませんね。
私たちは幸運にも、飢え死にする可能性のほとんどない時代に生まれてくることが出来ました。
一度しかない人生、他人に未来をゆだねて不満を抱きながら過ごすより自分の力を目一杯試して生きたいものです。

著者紹介

野瀬 正一:Sports & Education Projects Australia Pty Ltd 代表

20131206星瀨正一

シンガポール永住権保持者
早稲田大学卒業後、東京で飲食店経営や人材ビジネスなどに携わるも、ことごとく逆風に遭う。
時代の流れには逆らえぬとアジアに出ることを決意し、シンガポールに渡る。
現在はコンサルタントとしてシンガポールへの進出サポートおよび店舗開店支援、また実業としてレンタルオフィスや店舗経営などをおこなっている。
50社ほどのクライアントと日々シンガポールおよびアジアマーケットに挑戦中。

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