Newsweek日本版の「息切れ クールジャパン」特集を読みました【野瀬正一氏@シンガポール】

クールジャパンという単語が叫ばれるようになって久しい ですが、はたして日本は今、Coolなのでしょうか?

日本の文化は世界に誇るべき素晴らしいものです、 それは疑いようがありません。
国家を挙げて日本文化を海外に売り出そうとしており、 シンガポールはその主戦場の1つです。
ただ、成果を上げていると言えるのでしょうか。 疑問が湧きます。
私の知っているアニメ制作会社は、世界中に拠点を作り 国際的なアニメを日本クオリティで制作しています。
しかし財政の内情は火の車です。
シンガポールのAKB48ショップも人気があるとは言い難い。 縮小方向のようです。
少なくともシンガポールでは韓国のアイドルグループの 方が人気でしょう。

スタジオジブリのアニメが世界的に大ヒットしたのはもう10年前。
日本のマンガやアニメ、カワイイといった分野は一定の ファンが存在しますが、世代交代も進み、一時の勢いは なくなってきています。
ゲーム産業については完全に置いて行かれました。
私自身は日本の”萌え”的な価値観や、ゆるい文化を 今後発信していきたいと考えており、日本の小説家や アニメ会社とも連携していますが、国家を挙げての クールジャパンという取り組みには懐疑的です。

昔はゲーム大好きだった私の立場から言わせてもらうと、 そもそもゲームにしてもアニメにしても、一部の そればかりを愛している「マニア」の世界であった間は、 独創的な世界が生まれてきた訳ですが、大企業化し、 産業化し、さらに国策などと言い始めれば、 インディーズ的な良い作品は生まれてきません。
現状の「クールジャパン」プロジェクトも、 大手広告代理店への偏った投資に終始し、本当に実力の あるコンテンツを育てているのかという批判もあります。

※海外で評価の高い現代美術家の村上隆は、2012年に 自身とクールジャパンとの関係性を全面否定し、 「クールジャパン」の語も広告会社のキャッチコピー であり、外国では誰も言っていないと批判した。
(Wikipediaより)

またNewsweekにはテレビ界で海外からの「パクリ」が 日本で横行しているという指摘があります。
AKB48など歌手として実力が疑問視されているアーティスト を、国家が後押しして世界に広められるのかという 指摘もあります。コンテンツ産業として日本が世界で 台頭していくためには、日本で売れたものを収益源開拓の ために外に出すという発想から、 再度、世界で通用するコンテンツをしっかり育て、 デビューさせていくというサイクルに変える必要が あるのかもしれません。

本来、日本の文化を海外に広めるという観点から ビジネスチャンスを模索するのは、私たち海外在住邦人の 得意分野でもあります。
ただ、「ビジネスになるのか?収益になるのか?」という 視点で見てしまうと、「クールジャパン」というキーワードは 海外で日々生きるためにビジネスと格闘している私たちに とっては、相当に心もとない。

また記事にもありましたが、そもそも自分たちのものを 「クール」と呼んでしまうセンスも恥ずかしいものがあります。

このままでは、「世界に日本ブームがきっとク~ル」 と言いながら、クールジャパンプロジェクトは終わってしまう かもしれないですね。何とかしたいものです。

著者紹介

野瀬 正一氏
WCC SOLUTION PTE. LTD.代表

野瀬正一氏

シンガポール永住権保持者
早稲田大学卒業後、東京で飲食店経営や人材ビジネスなどに携わるも、ことごとく逆風に遭う。
時代の流れには逆らえぬとアジアに出ることを決意し、シンガポールに渡る。
現在はコンサルタントとしてシンガポールへの進出サポートおよび店舗開店支援、また実業としてレンタルオフィスや店舗経営などをおこなっている。
50社ほどのクライアントと日々シンガポールおよびアジアマーケットに挑戦中。

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