オーチャードと郊外を比較して感じるビジネスにおいて目的意識を差異化する必要性【岩田弘志氏@シンガポール】

シンガポールに来られるお客様は皆、口をそろえてこう言います。
「日本は今シンガポールブームだ」と。

もちろん、シンガポールが気になってやってきている方が言うのですから、関心の無い方よりも関心のある方の方が周囲にいらっしゃるということがあるのでしょう。

しかし、シンガポールで事業を行う経営者の皆さんのところには昨年までにない勢いで次々とゲストが訪ねて来られ、それに伴い進出に関するコンサルタントとして旗揚げされる方も多くなってきています。

1年ほど前もブームだとは感じていたのですが、それはアーリーアダプターと申しますか、比較的リスクを取ることを楽しみ、軽々と国境を超える方が多かった様に見受けられます。
それも今年3月を超えてからは、日本でビジネスを拡張することが困難とみる傾向が顕著になったのか、日本で実直に仕事をされてきた方がどんどん視察に来られます。
そして6月になるとソフトバンクがスマップを使ってマリーナベイサンズで撮影されたTVコマーシャルが公開されるにおよび、
ビジネスとはあまり関係なく誰もが「マリーナベイサンズへ行きたい」「あの屋上のプールに入りたい」とシンガポールの好景気を羨む様にやって来るようになりました。
仕事上マリーナベイサンズに行くことは多いのですが、そこのショッピングモールを歩いていると若い女性が数名連れ立って歩いているのを頻繁に見かけます。

そんな中、数週間前にあるお客様を案内していて気が付きました。

「日本から来る皆さんは、いずれも真のシンガポールを見ていない」
と。

広く知られるようにシンガポールは知識や財を一箇所に集中し、コンパクトにすることで相乗効果が生まれやすい環境を作り出しています。
主だった多国籍企業はアジア本社を市中心部に置き、そこから半径数km以内には住居やレストランや行楽施設など全てが揃っています。

今シンガポールに来られる皆さんは、そういった中心部数km以内を見て 「これがシンガポール」と判断しているケースが少なくないと思われます。
事実私も先日まで何の疑いもなくお客様に合わせて市中心部にある主だったスポットを案内してきました。

きっかけは空港にほど近いタンピネスという街を案内したことでした。
5年ほど前、私はその街の近くに住んでいたのでその街のことをベッドタウンとして知っているつもりだったのですが、
以前とは明らかに様子が違いました。ショッピングセンターは増え、それぞれの店舗で扱う商品が高級化・高品質化し、明らかに購買力が高まっていることがわかります。
また、市中心部でシンガポールの目抜き通りとも言えるオーチャードよりも混雑しています。
これは、タンピネス周辺の公団住宅に住む住民がこぞって一箇所に集まってくるからだとわかりますが、明らかに客層が異なります。
市中よりもマレー人の率が増え、外国人の率が減っています。

「本当のシンガポール人の消費はこういった郊外の街で行われているに違いない」と感じました。

そして市中心部は物件の高騰化により、一般のシンガポール人向けビジネスが立ちゆかない場合も多く、空洞化が発生している様にも見受けられます。

もしシンガポールへ進出し、シンガポール国内でビジネスを成功させたいと思うのであれば、こういった郊外の街を最初から見ておく必要性を感じます。
また、市中心部は外国から来た駐在員や外国人観光客も多いため、話題や商品を自国へ持ち帰ってもらうためのショーケース的役割として利用するのが妥当なのではないかと思うに至りました。

 

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