こんにちは、藤縄です。
本来ならこの時期にもう日本に帰らなきゃならないのですが、コロナの影響で5月末までいることができます。
また、Twitterが軌道に乗ってきたので台湾移住やワーホリ留学などを盛り上げていくために日々奔走していました。
はい、今回は、台湾で正式に中国語の言語能力資格として扱われている「TOCFL(華語文能力測験)」を初めて受けてきたので、中国の資格試験の「HSK(汉语水平考试)」との違い、感想やその難易度を書いていきたいと思います。
TOCFLとは?
概要
台湾の国家中国語能力試験推進委員会による、中国語を母語としない人向けの台湾華語能力試験です。
そして、台湾で話されている中国語『台湾華語』の能力を証明する唯一の資格でもあります。
台湾では、中国語の能力証明に、日本で最もメジャーである中国政府主催の「HSK(汉语水平考试)」を使うことができません。
なので、能力証明を求められた際はTOCFLで能力証明をする必要があります。
テストの形式は筆記試験とコンピュータ試験です。日本会場では筆記試験ですが、台湾では今年2020年に同一の試験がPCを用いて行えるようになりました。
また、台湾では、PCを用いた解答からレベルを測定して次の問題を選ぶ「TOCFL CAT(華語文電腦化適性測驗)」というものもあります。
TOCFLの試験区分は3段階、判定レベルは「入門級」から「精通級」までの6段階に分かれています。リスニング(聽解)が60分、リーディング(讀解)が60分で、試験時間は計2時間となります。 基本的に問題方式は、選択肢の中から答えを選ぶ4択問題(たまに3択)となります。
また、台湾では年に3回模擬テスト(pilot test)が行われます。受験料は200元なので、腕試しにいいと思います。
資格の主な活用目的
TOCFLの活用目的として、主に以下の4つがあると思います。
- 台湾奨学金を申請するための参考基準として
- 台湾の大学、専門学校等において中国語能力の参考基準として
- 台湾や日本で就職活動をする際の中国語能力の証明として
- 自分の現時点の中国語レベルの証明として(模擬テストを利用するといいかも)
HSKや英語資格のTOEIC等の証書については2年間の有効期限が設けられており、有効期限を超えた成績証明書は使えないとしていますが、TOCFLの成績証書には有効期限がありません。
証書を紛失してしまった場合は、受験から2年までだったら再発行してもらうことが可能です。
TOCFLとその他中国語試験の難易度比較
TOCFLの公式サイトには中国語試験の難易度が表でわかりやすくまとめられています。
HSK6級がTOCFL Band C(進階高階級)の難易度に該当するのが分かるでしょう。
一概に比較することはできませんが、Band BがHSK6級相当に当たることから、TOCFL Band C(流利精通級)はそれ以上の難しさであることが窺えます。
各受験レベルの目安については以下をご参考ください
TOCFLの必要語彙数についても、高階級(B2)がHSK6級と同等の語彙数なのが確認できると思います。
TOCFL流利精通級はそれ以上に必要となる語彙が多く、試験全体の傾向としても生活に根付いた単語が使われることがほとんどなので、合格するためには試験のためにTOCFLを勉強するのではなく、生活の一環として勉強する必要があります。
レベルの判定基準(証書発行基準)について
受験レベル | 総合点 | 聽解 | 讀解 | 判定レベル |
Band A 入門基礎級 | 83 | 37 | 38 | 入門級(A1) |
120 | 51 | 53 | 基礎級(A2) | |
Band B 進階高階級 | 94 | 42 | 44 | 進階級(B1) |
125 | 53 | 56 | 高階級(B2) | |
Band C 流利精通級 | 102 | 46 | 47 | 流利級(C1) |
130 | 54 | 61 | 精通級(C2) |
各受験レベルにつき、取得スコアによって、2つの判定レベルのいずれか、もしくは不合格の判定がされます。 3つのスコアにおいて、全て上記スコアを取得した場合につき、判定レベルに該当する証書が発行されます。
例えば、TOCFL Band B(進階高階級)で、聽解55点、讀解69点だとすると合計点数124点で進階級(B1)認定となります。 ※台湾では試験20日後にオンライン照会で試験結果を確認することができますが、日本では郵送で送られてくる成績表でしか確認することができません。
受けてみた感想
筆記の試験日は11月14日、私が受験したCATは筆記試験の翌日の11月15日。
筆記試験の申請が早期にいっぱいになると、別日程にCAT試験の申請フォームが設けられるみたいです。
オンラインによる成績照会については基本的に試験後20日、今回は12月4日でした。成績表については後日発送となります。
結果から言うと、進階級(B1)には合格していました。 ですが、素直にも喜べず沢山の課題が見つかった試験となりました。(点数は恥ずかしいので隠してます😓)
最初にも言いましたがTOCFLはリスニング(聴解)60分、リーディング(読解)60分の合計2時間の試験となります。
試験は、リスニング→リーディングの順に行われ、リスニングの場合は制限時間以内に解答をマークする必要があります。
読解については、日本人は漢字がわかるので文章からある程度の意味を推察することができます。(C級になると四字熟語も追加され、文章も複雑になるのでそうはいかないと思います)
問題は聴解。 恥ずかしながら私はリスニングは苦手です。(HSKでもその傾向は顕著にありました)
普通の試験は短いセンテンスから長い文章の問題に遷移していくと思います。(HSKとTOCFLの通常の筆記試験は概ねこのパターンです。)
今回受けたのはCATだったのですが、過去問(筆記試験)だと体系的にパターン化されて問題が組まれているのが、CATでは、問題の解答によって次の問題が決まるために、先が読めずに次に全く違う問題が出てくることもありました。
私が未熟なのも相まって、この形式は一層混乱を招くことになりました。結果的にそれが正確な点数としてスコアに現れるのだと思いますが……😓
とにかく、リスニングは絶え間なく読まれるので集中力が必要です。
CATについて、途中でとてつもなく簡単な問題が出てきたとしたら、問題をたくさん間違えたのが理由であると推測できます。ですが、そこで諦めず、ちゃんと正解を導いていけばスタートラインに戻ることは可能と感じられるテスト方式でした。
このCATテストは解き終わった後に、大体の結果が表示される(撮影不可)のですが、この点数を確認できたら次の課題をすぐさま認識できるとても優秀な試験方式だと思いました。
試験を通じて、浮き彫りになった課題は主に次の3つ
- リスニング力の強化
- 語彙力の強化
- 慌てずに問題を解く、マウス操作に慣れる(試験に使うマウスの感度がとりわけ悪い😔)
これを今後どうにかして、次は高階級(B2)に合格したいと思います。 その時はまた記事も書きたいと思います😓
まとめ
今回、台湾で初めてTOCFL進階高階級(CAT)を受けました。
実は元々5月に受ける予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響でその時のテストが無くなってしまったので、受けるタイミングを失ってしまい、結果的にこのタイミングで受けることとなってしまいました。
結果としましては、進階級(B1)には合格していたものの、新たな課題が見つかった試験となりました。
主な課題はリスニング。これを克服するには多聴と単語力の強化が必要であると自覚しました。
次のCAT試験は2021の3月6日、続いて4月24日にあります。その時までに、リスニング力を向上させて再挑戦したい所存です。
また、模擬テストも4月中にあるので、そちらの方も受けられるタイミングだったら受けてみたいです。
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