「猫の耳なんて食べられないよぉ!」という定番 【MATSU氏@中国・台湾】

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ロケの合間、番組ディレクターや局アナと話をした。会話が一番盛り上がったのが「将来はどうしたいのか?」というテーマだった。国は違えど、同じ放送界—。夢は共有できる。台湾では、取材記者→現場レポーター→ニュースキャスター→討論番組の司会者という風にステップアップの形があるが、中国の局アナにも、目指す方向の筋書きがあるようだ。
浙江テレビ、杭州でのロケ。番組専用車に専用運転手。8〜9人の制作スタッフ陣に、次々登場する浙江テレビの局アナ達・・・。日本の放送界に吹く経費節減の風など微塵も感じない。3日間のロケは私にとって貴重な体験となった。

杭州ロケ・スケジュール

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1日目。杭州駅、呉山天風、河坊街、胡慶余堂薬膳、雄鎮桜菊英面館、胡雪岩故居、北山路沿線、岳廟、蘇堤、莫干山路的葱包烩、鼓桜餛飩
2日目。知味観、湖濱街区、西湖遊船、断橋上岸、武林門、隠泉
3日目。歩行白包、平湖秋月、桜外桜、龍井茶茶園
(いずれも杭州の観光名所・・・・杭州観光のご参考までに)

杭州名物「猫の耳」

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杭州に「猫耳朵(猫の耳)」という食べ物がある。(山西省発祥とのこと)
「猫の耳を食べる習慣があるのか!?」と驚くなかれ。
これは、練った麺粉を縦横2cm四方に切り、親指で押し込みながら形を整えていくもの。平べったい団子状で、親指で押し込む際にへこみができ、猫の耳に形が似ることから、

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「猫耳朵」と呼ばれている。(ちなみに、台湾には豆豉で作った「蒼蠅頭(ハエの頭)」という食べ物があり、これも形状から来た名前とのこと)「猫耳朵」はスープに入っているのだが、食感はきりたんぽにも似て、もっちりしていける。(台湾にもあるそうだ・・・というより、台湾では中国大陸各地の料理が食べられる)
「猫の耳を食べる習慣があるのか!?」と驚くなかれ、と言いつつ、驚くふりをするのが番組の定番。
「猫の耳なんて食べられないよぉ!」
不満を言いつつ、出てきたものを渋々食べる私・・・。
「えっこれが猫の耳?!」(軽くオーバーリアクション)
そこで司会者がタネ明かし・・・。
「これは、実は麺粉で作ったもの。形が似ているから、猫の耳と呼ばれるように・・・」
「なるほど!ならば安心して食べられる。うん、うまいうまい!」
もちろん、これもテレビの定番。

杭州と言えば西湖だが、西湖周辺では、

◎蘇堤を散策
◎武術を習う
◎二人乗りの自転車で湖外周を走る
◎バケツに水を入れ、大筆で道路に漢詩
◎湖で養殖されている魚を網で取り、
隣のレストランで調理してもらう

といった撮影を行った。

いつかは、中国中央テレビや香港のテレビ局で・・・

中国中央テレビや香港のテレビ局で

ロケでは、浙江テレビ「快楽一点通」の生放送スタジオも訪れた。「キッチンスター」にも出演している浙江テレビのアナウンサー付琰(フーエン)が司会を務める芸能情報番組だ。羅志祥、林志玲、王力宏、楊丞琳...、VTRの大半が台湾芸能人の動向。中国の芸能界は台湾出身の芸能人が席巻していて、彼らが大陸各地でライブを行う際、先駆けて中国地方テレビ局の番組に出演し、集客力に火をつける。
そして、ある局アナに話を聞いたが、「力をつけると、ヘッドハンティングの可能性がある。湖南省長沙や上海の東方テレビにはハンティングで移った同僚もいる。大目標は、北京や香港の局で仕事をすることですね」。日本と違って、地方局の番組を、別の地方で見られる中国のテレビシステム。北京や香港に在住する番組プロデューサーも、引き抜きのため各地方の番組を見る。これにより、司会者達が、実力主義で、上へ登って行ける仕組みが構築されている。浙江省で人気番組の司会を務める→北京の中国中央テレビや香港鳳凰テレビのプロデューサーの目に止まる→お呼びがかかる・・・、という局アナ達の理想も、あながち現実離れしていないのである。

中国は、飽食の時代?!

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杭州の食は、東坡肉や龍井蝦仁、西湖酢魚など浙江料理。龍井茶の茶摘みも行った。日本のロケでは、番組でレポーターが食べた料理は、スタッフや司会者が食事としていただくことが多い。しかし、浙江テレビのロケでは、番組使用のものは下げ、別の新たな部屋の円卓で、改めて食事を注文し直し(それもかなりの量)、スタッフ全員で食べる。

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とはいえ、ロケ中、司会者はあまり食べない。トークしているばかりで、口にするのは一口から二口くらい。身体を気遣い食べる量をセーブしているのかと思いきや(かなり太っているのだが)、やっぱり、ロケ後の食事では人一倍食べている。なんだそりゃ。(さらに豪勢な食事は、朝、昼、晩、毎度毎度)
撮影には、浙江テレビの局アナ達も代わる代わる参加した。男子アナ、女子アナが数人出てきたが、彼らに共通して言えるのが、明るくてフレンドリーだということ。積極的に話すことで「口才(トーク力)」を伸ばしていけるというメリットもある。
ロケに参加しているスタッフは8人〜9人で、ほとんどがiphone4を持っていた。(私が訪ねた際、iphone4の街頭販売価格は約5800人民元)段取りができておらず、レストランで3〜4時間待つということもあったが、彼らはiphoneでゲームや微博などをずっといじっている。(暇つぶしがあるから待ち時間が長くても気にならないのかもしれない)

3日間で、2本撮り。結果的には(事前に綿密なロケスケジュールは出てこない)、毎朝7時出発、夜23時戻りというハードなものだったが、番組撮影という緊張感の中で、振り返れば、あっという間に過ぎていた。番組テーマは「外国人の私に杭州の魅力を味わってもらおう」という内容で、テーマそのものに街の勢い、番組製作の贅沢さを感じるロケであった。経費節減の空気は全く感じない。どんどん食べ物が出てくるロケであるにも関わらず、番組打ち上げの円卓にもまた豪勢な料理・・・。 中国は、まさに飽食の時代?!

著者紹介

Matsu

テレビ司会者・番組プロデューサー

Matsu

台湾のテレビ局で放送の食をテーマにした旅行番組「大口吃遍台灣(大口吃遍世界)」のMCを務める日本人テレビ司会者、番組プロデューサー。
本島の東西南北、金門、馬祖、蘭嶼、緑島、小琉球等を食べ歩き、「食の風景」を伝えている。
ロケでは、台湾のみならず、中国、アメリカ、カナダ、日本なども訪問。
番組は、国際チャンネルを通じて、香港、シンガポール、マレーシア、マカオ、ベトナムなどアジア6か国、地域でも放送。
現在は、テレビ番組製作の傍ら、司会、執筆、講演なども行う。近著:「大口吃遍台灣〜タイワングルメの旅」(四塊玉)。

番組出演:「WTO姐妹會」(八大第一台)/「聚焦360度」(年代新聞台)/ 「台湾ミュージアム」(台湾国際放送ラジオ)/「大台北城」(緑色和平電台)/「キッチンスター」(浙江テレビ)/「今天吃什么?」(大連テレビ)など。座右の銘:做最壞的打算,盡最大的努力(最悪の想定をして、最大の努力をする

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