シンガポールの永住権は永住権にあらず【岩田 弘志氏@シンガポール】

今回はシンガポールの永住権について書いてみようと思います。

 海外在住で無視できないのは滞在資格。一般的に滞在許可の種類は一時滞在では観光目的やビジネス目的、長期滞在には雇用ビザや永住者ビザなどがありますが、シンガポールでも基本的に同様の滞在許可の枠組みがあります。

 一般的には日本からの短期旅行者は3ヶ月の滞在が許されていますが、入国時には30日のみ許可されます。その延長が必要な場合は政府へ出向き、延長のための簡単な申請手続きを行います。この短期旅行者は非居住者とみなされる一方、居住者向けには就労許可や雇用パスといった職業とひもづけされた許可や付帯家族のための付帯パスなどがあります。また学生ビザや起業家用のアントレパスなどがあります。更により国民に近い在住許可として永住権があります。
 永住権は雇用と切り離されているため仕事を失っても滞在が許されることが最大のメリットですが他に中古物件の公団住宅を購入できること、クレジットカードやローンを作るときの基本与信金額が国民とほぼ同じなどということがあります。
 また永住権保有者の義務として挙げられることに、政府の積立制度に参加することや2世の男児が徴兵の対象になることなどがあります。

 このあたりの情報はネット上にたくさんありますので確認は容易ですが、本コラムではシンガポールにおける永住権の最大の特徴についてコメントしておこうと思います。実はシンガポールの永住権は、永住権ではないということです。シンガポールを長く離れていたり、市民権の取得をシンガポール政府から勧められても断り、シンガポールの国民とならない選択をすることなどにより、取得から5年が経つ永住権の更新時に更新許可が降りない場合があります。シンガポールは外国人を明確に「景気のバッファ」と捉えていて、たとえ永住者といえども例外ではなく、外国人の数を抑えたい際には永住権を更新する人数を制限する可能性があります。

著者紹介

岩田 弘志氏

岩田 弘志氏

中央大学卒業後、富山へ帰郷。日本通運で5年強勤務。
98年より渡星し日系引越会社へ就職。
02年異文化トレーニングファームIBCの日本リエゾン就任するも、04年にシンガポールへ戻り再度同じ引越会社へマネージャー職として復帰。
07年シンガポール経済新聞を立ち上げるため同グループ内の出版会社コムへ移籍。
その後ONE IPTV社GM、セレスティアル・ナビゲーションズ社取締役を歴任。
起業支援のドリームゲート内でブログを2005年より展開。
http://bit.ly/d9rDwO

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