深圳の賃貸住宅事情【村上友治氏@深圳】

海外赴任者の大きな関心ごと一つに居住環境が挙げられる。
今回は深圳における賃貸住宅事情の概況と留意点についてお伝えしたい。

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昨今、中国全土で起こっている不動産価格高騰のニュースは読者の皆さんも良く耳にされていることだろう。

ここ深圳の不動産価格もうなぎ昇りで、価格上昇率は全国でもトップクラスに入る。

2011年5月の都市部不動産価格指数によると、北京・上海・広州・深圳・杭州・南京・武漢・瀋陽・成都・天津の10大都市平均価格は1万5820元(約20万円)/㎡で、前月比で0.11%、前年同期比では3.94%上昇した。

前月比が上昇した6都市のうち、深圳の上昇率が最高の1.08%で、平均住宅価格は2万5671元(約32万円)/㎡だった。

昨年同月比では上昇率5%を超え、広州市10.25%に続いて2番目の上昇率となった。
これに伴い、当然のことながら賃貸相場も高騰している。

2009年に筆者が住んでいた物件はロケーション抜群で、しかも家賃は周辺相場から見てもかなりお得であった。
友人からは「かなりのお得物件だね。」と言われていたが、1年足らずで家賃は1.6倍に跳ね上がった。

これは高騰しすぎの感はあるが、現在市内中心部で、単身の外国人が住む標準的な物件だと、1K(35~45㎡)で2500~3000元、1LDK(55~60㎡)で3500~4500元といったところであるが、毎年どのタイプの物件も15%以上値上がりしている。

単身者用物件は需要が高いので、当分賃貸料の値上げは避けられないであろう。
続いて、居住における留意点を①物件探し②賃貸契約③引越しの3点にまとめてみた。

①物件探し

物件探しは主に3つの方法がある。

一つ目は不動産業者による仲介、二つ目は知り合いからの紹介、三つ目は物件管理所職員からの直接紹介である。

まず不動産業者による仲介だが、市内には無数の仲介業者があり業者探しには苦労しない。

この方法の最大のメリットとしては、大家との交渉を一手に引き受けてくれるので、手間と時間が省けるということだろう。

お気に入りの物件が見つかったら、家賃交渉、必要家電設置、支払い方法などこちらの要求を業者に伝えれば、あとは業者が大家と交渉してくれる。

当地事情に不慣れな場合にはこの方法がお勧めである。
中国語が話せなくても、日系不動産業者も数社進出しているので安心である。

また、契約時には立ち会ってくれるので、契約上何か問題があれば仲裁に入ってもらえる。

業者は必ずお得物件を数件握っているので、粘り強く自分の理想にあった物件を探すことをお勧めする。
彼らの手口として、まず売れ難い物件から紹介して来るからである。
諦めずに粘り強く探していれば、最後には必ずお得物件は出して来る。

デメリットとしては、半月分の家賃を仲介手数料として支払うことになる。

次に、知り合いからの紹介である。

この方法の最大のメリットは仲介手数料がかからないということだ。
一般には公開されていない掘り出し物件も多く、お得感も高い。

デメリットとしては、万一何らかの事情で契約違反があった場合、知り合いの面子を潰しかねないことだ。
また、基本的に大家とは自分で交渉することになるので中国語が必須となる。

三つ目は、物件管理所職員から直接紹介してもらう方法だ。

気に入ったマンションがあれば、そこの職員に直接聞けば、空いている物件をどんどん紹介してくれる。

仲介手数料も不動産仲介業者よりは安く、家賃1ヶ月分の30%ほどだ。
ちなみに大家は職員に仲介手数料を支払う必要が無く、賃貸主からの手数料は紹介した職員個人の懐に入る。
管理所が黙認しているいわば個人ビジネスである。

もちろん管理所発行の賃貸契約書もあるので、万一トラブルが発生した場合でも、仲介した管理所職員が親身になってくれるので安心だ。
デメリットをあげるとすれば、仲介手数料に対して正式な領収書が発行されないことだ。

その他、仲介業者や大家が直接ネット上で多くの賃貸情報を流しているので、そちらも並行して調べながら、理想の物件を見つけるのも手だ。

②賃貸契約

物件を決めたら次は契約に入る。
まずは費用の支払いだ。

深圳の慣習では、前述の仲介手数料支払いの他、敷金2ヶ月分と初月家賃1ヶ月分を大家に納める。
支払いが済んだら、賃貸契約書にサインをして終了だ。

このとき敷金預り証が発行される。日本と違って、敷金はほぼ返還されるので必ず契約満了まで保管しておく必要がある。

③引越し

賃貸契約を交わすといよいよ引越しだ。
この引越し、日本と違ってそう簡単には行かない。

必ずと言って良いほど問題が起こる。
一番多いのは、料金のつり上げだ。
約束していた額より多く請求されるというのは良く聞く話である。
またチップの要求も後を立たない。

筆者も中国内で数回引越しを経験しているが、初めての引越し当日、引っ越し業者の現場ボスが数人の従業員を連れてやってきた。

そして、新居に着くまでの道のりで「こんなに遠いとは聞いていない」、更に新居の敷地内に着いた時点で「駐車場から部屋まで遠い」、など理由をつけて、暗に料金上乗せを告げてきた。
そして引越しが終わるとボスが「彼らの給料は歩合制なんだ。
かわいそうだろチップをあげてくれないか」と言われた。もちろん全て突っぱねた。

この手の問題の未然防止策としては、まず引越しを頼む場合に旧居と新居の詳細な住所を明記して
距離を明確にさせること。

駐車条件や荷物の量などを詳しく伝える。
そして約束した料金以上発生しないように念書を書いてもらうこと。

それでも、もし万一何か問題が起こった場合は、現場作業員は相手にせず、直接業者の事務所に電話し、内部処理をさせると良い。

こういった対策をとっていれば、気持ち良く新しい生活が始められるのではないだろうか。

著者紹介

村上友治氏
元威凌克餐飲(深圳)有限公司 火間土海岸城店 店長

村上友治氏

1976年和歌山県白浜町生まれ、兵庫県淡路島育ち。
大学卒業後、3年間日本で働いた後退職。2003年に中国西安西北大学へ語学留学。
その後、雲南省昆明と四川省重慶でホテル営業マンとして日系企業営業を担当。
2008年ベンチャー・リンク深圳に店舗管理マネージャーとして入社。
毎日の刺激的な変化の中で揉まれながら、
これからの中国を担う人材育成のために奮闘中。

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